ドーナル(触手)×漁師アダムの続きです。

ドーナルの足は無くなっていた。バスタブの中に収まっていたのはうねうねと動く触手だった。二本の足は五本の触手になっていた。
「うぁっ・・・・」
アダムは声にならない声をあげて、後ろに仰け反ろうとした。だがいきなりドーナルに腕を捕まれて、バスタブの中に引きずりこまれた。ドーナルは笑っている。アダムは全身びしょ濡れになり、ドーナルに押さえつけられた。
「あ、ああ・・・・」
ドーナルの五本の触手がアダムの服の下に潜り込んでくる。ぬるぬるとしたそれはアダムの体を撫であげた。
「君が、好きだ」
ドーナルはアダムの頬に手を添えた。ひ。と上擦った声をあげるアダム。ドーナルは首を横に振った。
「そんな嫌な顔しないで。寂しくなるから・・・」
ドーナルの触手が、アダムの両乳首をぬるりと撫であげる。びく。とアダムの体が反応する。
「・・・んっ・・・・あ」
「好きになってよ。僕のこと」
ぐりぐりと触手はアダムの乳首を撫であげ続け、絡みついてくる。アダムの首筋にドーナルはキスをする。
「や、めろっ・・・」
「どうして?気持ちいいでしょ?」
ドーナルの触手は器用にアダムのズボンを脱がし、中に入り込んでくる。そしてペニスに絡みついてきた。アダムは体を仰け反らせて声をあげた。
「うあ、あっ、あーーーーっっっ!!!」
「はは。やっぱり好きなんだね」
触手はアダムのペニスを扱きあげる。もう一本の触手はぐりぐりとペニスの先端を刺激する。相変わらず両の乳首もいじられ続けている。こんな快感は初めてだ。だらしなく口をゆるませ、よだれが垂れる。ふと、ドーナルと目が合う。ドーナルの目はきれいで、アダムは見惚れてしまう。ドーナルはぺろりと舌を出した。長い舌だった。
「俺の、お嫁さんになって」
ドーナルはアダムにキスをした。アダムはドーナルの背中に腕を回す。舌を絡めてキスをした。アダムの尻を触手は撫であげ、そこに侵入しようとしている。キスをしながらアダムは思う。そこに入れられたら、自分は完全にドーナルの物になってしまう。ドーナルを受け入れて、ドーナルに愛されて・・・・アダムはうっとりとドーナルを見つめた。
「・・・・はい・・・・」
ドーナルは、アダムの返事に、にこりと笑った。

バスルームの扉の外では、子猫がちょこんと座っている。いつまでも出て来ない主を待っていた。聞こえてくるのはアダムの艶めいた嬌声と、ばしゃばしゃという水音のみで、子猫は何が起っているのだろう?と不思議に思っていた。

海辺で独り暮らしているアダムの姿を、近所の住人はしばらく見なかった。だがある日、赤毛の背の高い男と一緒に歩いている姿を見かけるようになった。

アダムは幸せそうに赤毛の男に寄り添い、赤ん坊を抱いていた。どちらかと言えば無骨な印象のあるアダムだったが、まるで人が変わったかのように柔らかな印象に変わったと言う。近所の住人たちは囁きあった。

アダムは、あの赤毛の男の妻になったんだね。そして母親にもなったんだ。