ドーナル(触手)×漁師どらいばのエロ冒頭

 

アダムは海辺で一人暮らす漁師だ。猫も飼っている。茶色の子猫だ。一人で生きて一人で死んでいくと思っていたから、ある日浜辺でにゃあにゃあ鳴いている毛玉も無視しようとした。だが子猫は大股で歩いているアダムに必死についてくる。アダムは振り向いた。子猫は尻尾をたてて、にゃあ。とひときわ大きな声で鳴いた。アダムは笑った。子猫を抱き上げた。一人の人生ではなくなった。
「感謝しろよ。お前はあのままだったらカラスの餌になってたからな」
にゃあ。と子猫は答えるように鳴いた。

だから浜辺で倒れている赤毛の男を見たとき、子猫と一緒に連れて帰ろうとした。そして違うだろ!と一人で突っ込みを入れた。
早朝の朝に浜辺で、赤毛の男が倒れていた。うつ伏せに倒れていて顔はよく分からない。黒のタンクトップに、黒のズボンを履いていた。
水死体かと思ったが、血色が良い。恐る恐る落ちていた棒で、肩をぽんぽん。と突いてみた。
「う・・・」
生きている。男は呻いた。アダムは男の肩を掴んで揺さぶった。
「おい。あんた。大丈夫か?」
男はいきなりアダムの腕を掴んだ。アダムは悲鳴をあげた。
「あ・・・・」
男は起き上がった。頬や髪の毛についた砂を払って体を起こす。寝ぼけた顔をしているが、中々ハンサムだ。アダムの腕を掴んだまま、男はぽつりと呟いた。
「花嫁・・・」
「ああ。元気そうで良かった」
アダムは捕まれていた腕を振り払うと、男から離れようとした。花嫁とか言っているからちょっとやばいやつだ。
「助けてくれてありがとう」
男は優しく微笑んだ。アダムは人と触れ合うことがなかった。優しく微笑まれて胸が高鳴った。
「あ、あとは一人でなんとかしてくれよ。できるだろ?」
男は微笑んだまま、青い瞳をアダムに向けている。アダムはその目を見つめたまま呟いた。
「・・・うちに来るか?」
男はにこりと口角をあげた。アダムはため息をついた。

部屋に入ると、子猫がよちよちと歩いてきた。男は子猫を抱き上げた。愛しげに撫でる。アダムはそれを見つめた。もうすぐ冬なのに、タンクトップだけで寒くないのだろうか。男は子猫を床に置くと、アダムを見た。
「ずっと一人で暮らしてる?」
「あぁ」
「漁をしながら?」
「そうだ」
「ちょうどいいなぁ」
男は笑顔を浮かべた。やはりハンサムだ。
「僕はドーナルです。あなたは?」
「アダム」
ドーナルという男に名前を呼ばれて、アダムは何故かふわっと体が揺れる感覚を覚えた。ドーナルはバスルームを指さした。
「お風呂に入っていい?」
「あぁ・・・」
ありがとう。とドーナルはバスルームに入って行った。外を見ると雨が降り、風が強くなっていた。子猫も不安そうに外を眺めている。アダムは子猫の頭を撫でた。
「お前に似てるから・・・連れて来ちまった」
にゃお。と子猫はそれに答えるように鳴いた。

 

三十分ぐらいたってもドーナルはバスルームから出て来ない。アダムは心配になってドアをノックした。
「ドーナル?大丈夫か?」
返事はない。アダムはゆっくりとドアを開けた。バスルームのカーテンが閉まっている。その向こうにいるドーナル。ちゃぷ。と水音が聞こえる。鼻歌を歌っている。聞いたことのない言語だった。バスタブに浸かって機嫌が良さそうだ。
「ドーナル・・・?」
カーテンの向こうのドーナルの横顔の影。アダムはその影を見ていた。

ずるっ。

えっ?

バスタブに浸かっているドーナルから何か出ている。それは伸び上がって天井まで届きそうだ。うねうねとそれは動いて、本数が増えている。カーテンが開いた。ドーナルは顔だけを出した。やぁ。と軽く手を上げる。
「アダム。見たい?」
「えっ」
ドーナルは、笑っている。アダムはぼんやりとその笑顔を見つめた。ドーナルは自分の足を指さした。
「ここ、どうなってるか見たいだろ?」
おいで。とドーナルは笑う。アダムは魅入らたままカーテンを開けた。