はちゃめちゃパーティーナイト・3

クラブでかかっていたのは、ミッキーミナージュの「スターシップ」だった。あ!とブレンドンは声をあげた。

「 僕、これ大好きなんだよね。行こう」

ブレンドンは男の手を取る。男は首を横に振って笑った。

「 踊りはあんまり得意じゃなくて」

ブレンドンの胸が高鳴った。真面目なタイプなんだ。ブレンドンは男の頬を撫でた。

「 じゃあ、僕のそばにいて。それだけでいいよ」

ブレンドンと男はダンスフロアに出た。ブレンドンは男の手を取り、自分の腰に添えさせた。ミッキーの軽快なラップとともに、ブレンドンは両手で髪の毛をかきあげて音楽に合わせて腰を動かす。男は戸惑った顔をしつつも、ブレンドンにすっかり魅了されている。密着させた腰を動かす度に、股間が擦れる。ブレンドンは笑う。ぐい。と男の襟首をつかんで耳元で囁く。

「 もっとくっついていい?」

「 ああ・・・」

今度は男の両手を腰に添えさせて、下から突き上げられるように腰を動かすブレンドン。ぺろりと下唇を舐めあげる。男は何か言いたげな唇をしている。その唇に触れる。男が顔を近付けてくる。ふとブレンドンは昔のことを思い出す。 あの男もこんな顔をしていた。百年ぐらい前だったかな。その男とも酒場で知り合った。ペンシルバニアのバーだったな。今みたいに照明とかも暗かった。けどそれでもはっきり分かるぐらいハンサムだった!!!男の青い瞳がブレンドンを写し出す。ブレンドンは笑う。男の青い瞳の中に怪しげな光を見る。それはブレンドンの「術」にかかった証拠だ。

「 君はいったい・・・」

男の言葉をふさぐようにブレンドンはキスをした。男は最初は驚いたように体を強張らせたが、ブレンドンの腰に回していた手に力をこめた。 成功だ。今夜の獲物は彼だ。 また思い出す。百年前とシチュエーションが似てるなぁ。何かあったような気がするけど・・・ 唇を離すと、男はブレンドンの耳元で囁いた。

「 この近くのモーテルで部屋を取ってるんだ。来てくれないか」

「 いいよ」

ブレンドンは男の腕を取って歩き出した。まぁいいか。思い出せないほどだからたいしたことはないんだ。ブレンドンは久々に獲物を味わえることに胸を高鳴らせて興奮していた。