Keep Your Dreams・1

ずっと雨が降っている。

ハックスはぼんやりとベランダを見て思った。いつから雨が降っているのだろう。一週間ぐらいか?もしかして一ヶ月かも。

「桜が全然咲かないんだよ。この雨のせいで」

傍らで一緒に眠っていたレンが、ぽつりと呟いた。ハックスは何も言わずにレンの髪の毛を撫でた。レンの黒い髪の毛は心地よく、ハックスの指の間をするりとくすぐった。そのまま頬を撫でる。不思議なものでレンは自分より大柄で、がっしりした体つきだというのに、肌がきめ細やかで、まるで女のようだ。ハックスは、桜?と笑った。

「お前も桜なんか見に行くのか」

レンは、ハックスの上に体を預けてのしかかる。重い。とハックスはレンをたしなめる。さっきまでセックスをしていた。互いに肌は汗ばんで濡れている。たしなめつつも、その感触は心地よい。レンはハックスの胸を撫でて言った。

「去年ね。院の皆と見に行ったよ」

「女の子もいたのか?」

レンは、ふふ。と笑った。

「いたら嫉妬する?」

「そうだなぁ・・・」

レンは完全にハックスの上に跨がった。ハックスはレンの胸を揉みしだく。優しく触れるように。先ほどまで痛々しいぐらい激しく抱いたから。手の平に当たるレンの乳首はすぐに固くなる。

「あ、ん・・・」

余韻が残った体を持て余しいるレン。甘い声が漏れる。レンは胸が弱い。敏感なときは服の上からいじるだけで達してしまう。来いよ。とハックスはレンを引き寄せた。キスを交わし、笑った。

「今度その子も呼んで三人でするか?」

「そんなの嫌だ・・・」

眉を寄せて、上目使いでハックスを見るレン。

「拗ねるなよ。かわいいやつだな」

笑ってレンの背中を撫でる。雨が強くなった。ざぁざぁと響く雨音の中、レンはハックスの耳元で囁いた。

「俺のこと好き?」

「好きだよ」

「どれぐらい?」

ハックスは、レンの耳たぶを甘噛みして囁いた。

「食べてしまいたいぐらい、好きだよ」

 

「Keep Your Dreams」