world's end girlfriend・5

不思議なことに、アダムはゾンビになっても俺を感じてくれた。 夜。俺たちは一緒に眠る。恋人同士だからキスをする。そのまま目を閉じることもあれば、目を閉じないで続きをせがむ時もある。今日はそうだった。一週間ぶりぐらいか。 アダムの口元の傷にキスをする。そして頬や額にも。髪の毛を撫でながらしてあげると、アダムは嬉しそうに笑う。俺も嬉しくなって笑う。

「 する?」

俺は直球で聞く。ずっとそうだ。一瞬アダムの目が細くなる。それも変わらない。それはアダムが照れている証拠だ。あー。とアダムが呻いた。

「 うん」

「 オーケイ」

くすくすとアダムは笑う。笑っているアダムの服を脱がす。アダムの胸そっと触れる。 冷たい。 「 ・・・あったかいな」

アダムは幸せそうに言った。俺はアダムの唇にキスをする。冷たい。ああ。

( でもハーフゾンビと人間の間にも子供は産まれるし、ちゃんと感じてくれてるんだ)

「 ネクロフィリアさん。もっと強く抱き締めて」

アダムの言葉に俺は笑ってしまった。本当にそうだよな。

「 ジェフリー・ダーマーみたいに?」

「 ダーマーよりアダムのほうがかっこいいよ」

「 ありがとう」

俺はアダムの冷たい体を強く抱き締める。絶望。そして希望が入り混じる。またもしかしたら、人間に戻れるかも。だが俺の目に飛び込んでくるのはアダムの抉れた口元の傷。

「 マット」

切なげに俺を呼ぶアダム。俺は、はっと我に返った。どんなに抱き締めても暖かくならない体は、俺を感じてくれている。うっすら涙がたまっているアダムの黒い瞳が暗がりの中俺だけを見ている。俺はアダムのぺニスに触れる。ぴく。とアダムの肩が震える。俺は耳たぶを甘噛みしながら囁いた。

「 触って欲しかった?」

こくり。とアダムは頷いた。愛しい。俺はたまらなくなってアダムに深くキスをする。

「 ふ、ん・・・」

悩ましげなアダムの声。俺とアダムの舌が絡まる。俺は興奮している。アダムが生きていた時と同じ。

「 好きだよ」 俺はアダムの目を見て呟く。アダムは、うん。と小さく頷く。

「 僕も好き」

俺は笑う。キスしながら俺はアダムにゆっくりと挿入する。俺の背中に腕を回していたアダムの手に力が入る。根元まで俺のぺニスはアダムの中に入った。はぁ。とアダムは切なげな声をあげた。 「 マット、動かないで。そのまま・・・」

「 ああ。分かってるよ」 俺はアダムの髪を柔らかく撫でて、額にキスをする。

「 マットの鼓動を感じる」

アダムはハーフゾンビになってから、俺が生きている証をよく感じるようになっていた。セックスもこうやって挿入したまま動かないでいる。アダムは俺の腕の中で幸せそうなため息をついた。 「 あったかい」

「 ・・・アダム。きみの中でいっていいかな」

アダムはこくり。と頷く。愛してる。と俺は呟いてアダムの中で射精した。はぁ。と俺は脱力してアダムに上に覆い被さった。

「 ありがとう。マット。愛してる」

 

こんな僕を愛してくれてありがとう。

 

俺は耐えきれなくて涙をこぼす。その涙に気付かないふりをしてくれるアダム。

アダムはいつだって優しかった。